エコビレッジ・トレーニングに参加
CTIジャパンの経営から退いた後、何をやるかは特に決まっていたわけではありませんでしたが、1つだけやってみたいと思っていたことがありました。それは、スコットランドにあるフィンドホーン*という場所で毎年1回行われる1ヶ月の「エコビレッジ・トレーニング」というプログラムに参加することでした。エコビレッジとは、その名前が示す通り、エコな暮らしを営むコミュニティのことですが、エコビレッジ・トレーニングでは、どうやってそのようなコミュニティをつくるかをいろいろな側面から学べることになっていました。
なぜそのトレーニングに参加したいと思ったかというと、そこで取り上げられることがコーチングの仕事をしている時に漠然と感じていた1つの疑問に対するヒントを提供してくれるのではないかと直感的に感じたからです。その疑問というのは、次のようなものです。
すなわち、「コーチングというのは、相手の可能性を引き出すのに役立つ非常に優れたコミュニケーションの手法だが、結局のところ、世の中のしくみがそこに生きる人たちの可能性を引き出すようなものにならなければ、どこかで限界にぶち当たるのではないか」というものです。
言い換えれば、「人の可能性が最大限に発揮される社会とはどのようなものか?」という問いが自分の中にずっと横たわっていたわけです。
*フィンドホーン・・・1962年にアイリーンとピーターのキャディ夫妻および友人のドロシー・マクリーンによって創設されたスコットランドの北方にあるコミュニティ。もともとはスピリチュアルなコミュニティの色彩が強かったが、最近は世界を代表するエコビレッジとしてもその名を知られるようになった。