3人から薦められたコーチング
ワークショップを開発しながら、私はこれだけでは不十分だと感じていました。というのも、仮にすばらしいワークショップができたとしても、それに参加してくれた人たちが生き生きと仕事ができるようになるまでのプロセスを継続的にサポートするしくみがなければ、ただ単に「楽しいワークショップだった」で終わってしまうのではないかと思ったからです。そこで、ワークショップ後も継続的なサポートをする上で効果的な方法はないかと思い、それについて機会があるごとにいろいろな人に話していたら、別々の機会に3人の人から「コーチングを勉強してみたら?」と言われたのです。
多くの人がそうであるように、私も最初に「コーチング」と聞いた時は、すぐにスポーツのコーチを連想してしまい、正直言ってあまりピンと来ませんでした。
しかし、さすがに3回も同じことを言われると、そのシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)を無視するわけにもいかず、1995年の秋、彼らが共通して名前を挙げたThe Coaches Training Institute (略称:CTI*) という会社が提供するコーアクティブ・コーチング **の基礎コースに参加してみることにしたのです。すると、それは「まさに、これぞ自分が探していたものだ!」と思わず叫びたくなるほど自分が求めていたものにピッタリだったので、すぐにその場で次の応用コースにも申し込むことにしました。
*CTI・・・1992年にヘンリーとキャレンのキムジーハウス夫妻、そして故ローラ・ウイットワースの3人によって設立されたコーチ養成機関。現在、日本を含む世界20ヶ国以上でコーチング・プログラムおよびリーダーシップ・プログラムを提供しており、その参加体験型のトレーニングには定評がある。
*コーアクティブ・コーチング・・・CTIが提供するコーチング体系の総称。「コーアクティブ」とは「協働的」という意味で、コーチをする側と受ける側がともに対等な立場で、互いの持っている力を存分に発揮し合いながら、望ましい変化を一緒に創り出していく、という考え方や関わり方を表している。